■ 外来種 ■
全国的に外来種の問題が深刻化していますが、沖縄でも多くの外来種が問題となっています。外来種は、環境破壊の原因としては非常に目立たない存在です。しかし静かに、深く、確実に生態系を蝕んでいく恐ろしい存在です。外来種移入種の危険性は認識しずらいため、外来種駆除に対する反対なども出ています。
島嶼(とうしょ)県である沖縄では、海外や県外からの持ち込みだけでなく、県内の島間での生物の移動にも注意を払う必要があります。
①本来沖縄に分布しない種を移入する危険性。
②沖縄のある島に分布する種を、別の分布しない島へ移動させる危険性。
外来種は、下記のような問題を引き起こします。
*捕食:マングースやノネコによるヤンバルクイナの捕食など。
*在来種との種間関係:カダヤシの持ち込みでメダカが激減。餌やなわばりでの争い。
*遺伝的汚染:異種間交雑、同種であるが別々の場所に分布する集団間での交雑。
*寄生虫の持ち込み、人畜共通感染症の伝播:マングースによるレプトスピラ症伝播など。
*人・産業への影響:毒を持つ動物による咬症被害、農作物の食害、マングースが鶏を襲うなど
*未知の影響:現在想定していない(できない)影響。マングースを放逐した時代には、マングースによる在来種の捕食も未知の影響でありましたし、近年まで遺伝的汚染も未知の影響でした。未知の影響こそ最も恐ろしい影響かもしれません。各生物の生態など、私たち人間は自然界の一部を知り得ているに過ぎません。安易な生物の移入は、人間が認識できないうちに、自然環境に深刻で回復不能なダメージを与える可能性の秘めています。持ち込まないこと、それが一番大切な事です。
現在沖縄県内には沢山の動植物が持ち込まれています。これらが在来の動植物にどのような影響を与えているか、よくわからい部分もあります。生物どうしの関係は”食う、食われる”だけの単純な関係ではありません。多様で、実に微妙なバランスの上に成り立っています。そのため、気がついたときには在来種が外来種によって駆逐されていた、ということになりかねません。駆除にかかる費用など、経済的被害も甚大なものがあります。外来種は持ち込まないことが大原則です。

平成8年度に、(財)日本野鳥の会やんばる支部が、大国林道(総延長35.5km、幅員4.0m、国頭村与那から大宜味村大保に至る、全線舗装された林道)でノネコ・ノイヌの糞を調査しました。その結果、林道からなんと56個もの糞を採取しました(ノネコ・ノイヌの糞は区別が困難なため、まとめて扱っていますが、そのほとんどはノネコのものと推察されています)。その糞を分析した結果、下の表に示すような貴重動物が検出されています。
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種 名 |
検出率 |
| 哺乳類 |
ワタセジネズミ |
10.7 % |
| オリイオオコウモリ |
03.6 % |
| オキナワトゲネズミ |
12.5 % |
| ケナガネズミ |
01.8 % |
| 鳥類 |
ヤンバルクイナ |
03.6 % |
| ホントウアカヒゲ |
19.6 % |
| 両生類 |
ナミエガエル |
01.8 % |
検出率(%)=
その種が検出された糞の数/糞の全体数(56個)×100
日本野鳥の会やんばる支部の報告書より
写真:ノネコの親子
現在沖縄本島で確認されている外来種には、陸上脊椎動物だけでも下記のようなものがあります。安易な生物の移入をやめ、移入された生物の駆除を進めないと、やんばるの生態系が崩壊する危機に瀕しています
クマネズミ、ドブネズミ、ノネコ、ジャワマングース、ドバト、シロガシラ、シマキンパラ、キンパラ、ミシシッピアカミミガメ、スッポン、ミナミイシガメ、タイワンスジオ、サキシマハブ、シロアゴガエル、ウシガエル
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| シロアゴガエル(特定外来生物)* |
クマネズミ |
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| ミシシッピアカミミガメ(要注意外来生物)* |
シロガシラ |
*特定外来生物・要注意外来生物:外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)にもとづき、特定外来生物などに指定されています。詳しくは環境省の関連サイトをご覧ください。 |