

■ カエルって何の仲間?
カエルは両生類です。よく両生・爬虫類などとまとめられることがありますが、ヘビやヤモリといった爬虫類は、両生類とは全く異なるグループなのです。爬虫類は、両生類より哺乳類、鳥類と同じグループで、爬虫類・鳥類・哺乳類を有羊膜類、両生類・魚類を無羊膜類と呼ぶこともあります。
現生の両生類には、無尾類、有尾類、無足類の3群があります。無足類はアシナシイモリ類で、日本国内にはこの仲間は分布していません。有尾類はイモリ、サンショウウオ類で、沖縄にはイモリ類の2種が分布しています。沖縄にはサンショウウオ類は分布していません。
カエルは無尾類であり、現生の両生類中で最大のグループです。南極大陸を除く世界中に分布し、4000種ほどのカエル達が知られています。熱帯を中心に分布しており、日本国内でも亜熱帯である沖縄に多くのカエルが分布しています。
沖縄に分布する有尾類
(写真:シリケンイモリ)

■ ジャンプに適した体のつくり
カエルと聞いて思い出すものに、ジャンプする姿があるでしょう。花札の絵柄にもなっていますよね。カエル体は、このジャンプに適したものに進化しています。 カエルが無尾類というグループであることは、先に述べたとおりです。無尾、そうカエルには尾がありません。他の多くの脊椎動物には尾があります。しかし、左右の後脚で同時に地面を蹴ってジャンプするカエルの運動では、尾が邪魔になります。そのため、進化過程の初期に消失したと考えられています。またカエルはずんどうで、外見は頭と胴が連続しています。背骨は数が少なく、短くなっています。これはジャンプ・着地の衝撃に耐えるためと考えられています。

カエルは無尾類に属します
(写真:リュウキュウアカガエル)

■ いろいろな役割のある鳴き声
カエルの歌が、聞こえてくるよ♪カエルといえば、この歌を思い出す方も多いでしょう。鳴き声はカエルの大きな特徴の一つです。カエルは主に夜活動します。夜は姿が見えないので、コミュニケーションの手段として鳴き声はとても重要です。
鳴き声はそれぞれ種類で特徴的で、声を聞けばどの種類のカエルが鳴いているのかすぐにわかります。鳴き声にはいろんな意味があるようです。
● 広告音
最も普通に聞かれる声です。2つの役割があります。まず雌を呼び、その後抱接、産卵を行うための役割です。もう一つ、雄同士の位置を決め、互いの距離を保つ役割があります。 以前は繁殖音となわばり音と分けて呼ばれていました。
● 解除音
間違って雄どうして抱接したとき、雄に抱きつかれた雄が、体を振動させながら短い声を発します。間違えてるから離れてくれ!という合図です。またすでに産卵を終えた雌が、雄に抱きつかれたときに発する場合もあります。声を出さず、体を震動させるだけのことのもあります。
● 警戒音
人が近づくと甲高い声を出して、一斉に鳴きやんだり、驚いて水に飛び込むときに出したりします。
● 危険音
外敵に捕まった時に口を開けたままで発する声です。ただこの声を聞いても、他の個体は反応しないようです。大きな声をだして捕食者を驚かせ、逃げ出すチャンスを多くするためではと言われています。
● 雨鳴き
降雨の前やその最中など、湿度の高いときに発せられる鳴き声です。アマガエルは降雨前の気圧の変化を感じ、盛んに鳴くことがあります。
イシカワガエル、ホルストガエルなど山原の森にいるカエル達は、とても特徴的な声で鳴きます。初めて聞くと、とてもカエルとは思えない声なのでビックリします。山地の谷川では、川の流れる音や、滝の音に鳴き声がかき消されてしまうおそれがあります。そのため、周波数が大きく変化する独特の鳴き声が発達したと言われています

繁殖地で広告音を出すカエル
(写真:ヒメアマガエル)
■ 抱接
オカエルは体外受精です。雄が雌に抱きつき、雌が産卵したらすぐに雄が精子をかけます。繁殖地に雌が現れると、雄が背面にしがみつき、ペアとなります(下の写真をご覧ください)。そしてそのまま産卵場所に移動し、産卵が行われます。
ハナサキガエルなど、抱接ペアに他の雄が数匹抱きつき、ダンゴ状態で立ち往生している事があります。場合によっては雌が死んでしまうこともあります。産卵が終わったあと、産卵場にはたいがい数匹の死体が沈んでいます。
雄は大脳を除去されても、脊髄反射で抱接するそうです。反射による行動なので、雄に抱きついたり、他種のカエルに抱きつくこともあります(下の写真をご覧ください)。
オオハナサキガエルの抱接
下が雌、上で抱きついているのが雄です。

イシカワガエルに抱きついたハナサキガエル
下がイシカワガエル、上がハナサキガエルです。

■ 繁殖期
カエルは繁殖期の長さにより、2つのグループに分けることが出来ます。explosive breeder (爆発的繁殖者)とprolonged breeder (長期的繁殖者)です。
explosive breeder は繁殖地に数日間だけ一斉に集まり繁殖するカエルです。ハナサキガエル、リュウキュウアカガエルなどがこのグループです。彼らは多くのカエルが一斉に繁殖場所に集合します。足の踏み場がないほどのカエルが集まり、大変な騒ぎです。まさに”爆発的”です。 集まる期間は、一晩かせいぜい数日間だけです。
prolonged breeder は繁殖期が数ヶ月に及びます。オキナワアオガエル、リュウキュウカジカガエル(ニホンカジカガエル)などがこのグループです。オキナワアオガエルは冬季、リュウキュウカジカガエル(ニホンカジカガエル)は春〜夏季に繁殖します。

繁殖地に集まってきたカエル
(写真:ハナサキガエル)

■ 夜行性
カエルは基本的に夜行性です。夜間に活動しています。昼間はいろんな場所に潜み、休んでいるようです。日が沈むと活動を開始します。そのため、観察は夜に行わなければなりません。
ただ、時折昼間でもカエルの鳴き声を聞くことがあります。 冬の山原の森などでは、昼間でもイシカワガエルなどの鳴き声を聞くことがあります。林内の渓流沿いは、昼間でも薄暗いのと、イシカワガルが穴の中で鳴くためでしょう。石垣島、西表島に分布しているヤエヤマハラブチガエルも、昼間けっこう鳴いています。コココココッと、彼らの声が聞こえてきます。もちろん日没後の方が断然活発です。樹林の中の湿地に、小さな産卵巣を作り、その中で鳴くためではないでしょうか。

夜間樹上で活動するカエル
(写真:アイフィンガーガエル)
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